江戸城の他にはどんな「城」があるのか【お城のギモン】

江戸城の他にはどんな「城」があるのか【お城のギモン】
江戸城の他にはどんな「城」があるのか【お城のギモン】
ライター:安武 覚

こんにちは、都立大のヤスタケです。
私たち市民塾が活動のフィールドとしている外濠は、皆さんご存知(?)「江戸城」の防御機能として作られたものです。日本には他にもたくさんの「城」があり、観光名所として馴染み深い場所もあると思います。しかし、城っていつもなんとなく見ているだけで細かいことは意外と知らないという方も多いのではないでしょうか。
今回はそんな「日本の城」について少しご紹介していきます!

そもそも「城」とは何か

「城」の定義

「お城」とよく言ったりしますが、そもそも「城」とは一体何でしょうか
一般的には、“殿様が住む所” や “合戦の拠点” といったイメージがあると思います。

ある資料では以下のように定義づけられています。

特定の場所を他者からの侵入及び攻撃から防御する目的で構築された施設とそれによって防御される場所等を総称するもの

東京都教育委員会[編]|東京都の中世城館|第一部城館一覧・城館分布図編|P2例言-第5項

…少し難しいですね。

つまり、「城」とは敵の侵略を防ぐための施設またはそれを含む場所そのもののことを指します。専門的には「城郭」「城館」と言ったりします。
必ずしもそこに人が住んでいたり、合戦が起きたりするわけではないというわけです。

日本の場合、一般に「〇〇城」「〇〇砦」「〇〇要害」「〇〇塁」「〇〇柵」のような名称になっている施設や、防御目的で区画されたものであれば「〇〇屋敷」や「〇〇館」、合戦の際の臨時的な「〇〇陣」なども含めて「城」と呼ばれています。

日本にはいくつ城があるのか

日本の歴史の中で、各地に非常に多くの城が造られてきました。その数は全国で3万以上とも言われています。

東京都内だけでも、200ヶ所以上と推定されています。
伝承のみの事例なども含まれていますが、江戸城以外にもこれほどの城があったとは驚きです。
皆さんの住む地域にも昔お城があったという場所があるかも知れません。

東京都内における中世城館の分布
<東京都教育委員会編集『東京都の中世城館』の分布図に基づき作成>

「日本の城」の種類

「近世城郭」と「中世城郭」

では、具体的に日本にはどんな城があるのか見ていきましょう。

「城」と聞いて多くの人が想像するのは名古屋城小田原城のような姿ではないでしょうか。

これらのような、強固な石造りをベースとし、シンボルとなる天守をはじめ城門石垣水堀などが建造されている城は、主に江戸時代以降に作られた比較的新しいものです。こういった城は「近世城郭」 と呼ばれます。
近世城郭を中心に城下町が発展していき、現在の多くの大都市の基盤ともなっています。そのため、町の象徴としての “城” = “近世城郭” というイメージが強くなっているのではないかと考えられます。

我らが江戸城も、天守は現存していませんが近世城郭にあたります。
城下町である江戸を基盤に、現在の東京都心部が形成されてきました。

一方で、近世よりも古い時代の日本の城は、空堀土塁が中心の土造りがベースとなっている形態が一般的です。漢字では「土から成る」で「城」と書くように、地形や地質を巧みに活かした城が基本形として数多く築かれてきました。こちらは「中世城郭」と呼ばれています。

一見何も残っていないと思われがちな中世城郭はなかなか一般的に認知されていませんが、実は至る所でその痕跡を見ることができます。東京都内の例で言えば調布の深大寺城跡や八王子の片倉城跡などがあり、どちらも空堀や土塁等が良好に残っています。

「グスク」と「チャシ」

一方で、日本には少し特殊な城も存在します。沖縄(琉球王国)の「グスク」や北海道(アイヌ)の「チャシ」がその一例です。
これらは、背景となる文化や信仰から「城」の持つ意味合いが大きく異なり、建物の装飾や城郭の構造も非常に特徴的です。

特に「グスク」は、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として世界遺産にも登録されている事例もあり、世界的にもその歴史的価値が認識されています。

西洋様式の城

また、幕末の時代に造られたかなり新しい城もあります。代表的な事例は「台場」と呼ばれる形態です。
これらは主に黒船来航以降、西洋の城郭様式を取り入れた砲台付きの要塞として機能していました。緻密な設計に基づいた幾何学的な形が特徴です。

箱館戦争の舞台となった「五稜郭」も有名ですね。

まとめ

このように、日本の城は大きく「中世城郭」と「近世城郭」に種類が分かれていること、中には「グスク」「チャシ」「台場」などの特殊な事例も存在するということをぜひ押さえてもらえると嬉しいです。

終わりに

今回紹介したものは「日本の城」のごくごく一部に過ぎません。また、分類については諸説ある他、築城年代や立地等の詳細によってはより様々な種類に分けることもできます。このように「日本の城」というのはここでは紹介しきれないほどに多種多様なのです。もちろん、日本だけでなく世界にもその国ならではの特徴を持つ城がたくさん存在します!

皆さんも、いつか旅行などで城を見に行く機会があれば、それがどんな種類なのかチェックしてみてはいかがでしょうか?

参考

  • 東京都教育委員会[編]|東京都の中世城館|戎光祥出版
  • 加藤理文(著) 小和田哲男(監修)|よくわかる日本の城 日本城郭検定公式参考書|学研プラス

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