「史跡江戸城外堀跡」として国の史跡にも指定されている外濠は、水辺の公園としても活用されていた貴重で雄大な水空間です。しかし戦後の高度成長期を経て、水辺を軽視する風潮や、水質汚濁と悪臭の問題などから、残念なことにその存在感が薄れていったといえるでしょう。水辺の価値が見直されてきた現在においても、水辺空間として都市アメニティ、景観面で周辺地域との調和、多様な生物が共存する自然の確保といった課題は残されたままであるといわざるを得ません。外濠の歩んできた歴史や都市空間での存在感を考えたとき、この現状は望ましい姿ではありません。
外濠に設置された立入り禁止の看板
都心の貴重な水辺である外濠を望ましい姿に変えていこうとするとき、外濠のそばで働き、住み、歩き、暮らしている市民や企業が思いを共有し、その声をあげることがふさわしいと考えます。そこで、外濠に関する知識や思いを共有する場として「外濠市民塾」を立ち上げました。
キックオフ見学会(20130403)
「外濠市民塾」の活動は、外濠を知り、そこから将来の姿をイメージしていくことです。歴史的な価値、外濠を取り巻く生活・文化、外濠の水域・水流の仕組み、生態系、外濠を含む景観など多面的なアプローチから外濠を知り、そして未来のあるべき姿を議論する素地を作りたいと考えます。